イギリス子育てレポート

イギリスで子育て奮闘中。調べたこと、やってみたこと、感じたことをレポートします。

日本でも解禁に向けて動き!液体ミルクはこんなに便利

日本もついに液体ミルク認可に向けて動き出したようですね!災害時に海外から寄付があったりしたようですが、イギリスでも一般的なものとしてどこでも売っています。産後しばらくの間、十分に母乳が出なくて苦しんだので、液体ミルクには本当に助けられました。イギリスで買える液体ミルクはどんなもので、どんなときに便利だったか紹介したいと思います。

 

液体ミルクの種類

粉ミルクと同じように色々なメーカーから販売されています。新生児からのファーストミルク、6カ月からのフォローアップミルク(Follow on milkというようです)など何種類かあり、大きさもいくつかあります。私が使っていたAptamilのファーストミルクはこんなラインナップです。

イギリスの大手スーパーの一つSainsbury'sのオンライン価格を参照しました。日本とイギリスで物価が全然違うのと、EU離脱の国民投票以降の過去にないポンド安であまり参考になる金額ではありませんが、最近のレート1ポンド=128円で円換算しました。画像もSainsbury'sウェブサイトから借りました。

 

スターターパック 70ml x 6

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6本セットで8ポンド(1,024円)

100ml = 1.9ポンド(243円)

少量ボトルに使い捨ての乳首がついたセットです。便利ですが値段はかなり割高です。

 

200mlボトル

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1本ばら売り85ペンス(109円)・4本セットで80ペンス(102円)

100ml = 各43ペンス・40ペンス(55円・51円)

こちらは哺乳瓶に移して使うタイプです。開封後も24時間は冷蔵庫で保管できます。

 

1Lボトル

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1本3.7ポンド(474円)

100ml = 37ペンス(47円)

大容量タイプ。開封後はすぐに冷蔵庫に入れ、48時間保管できます。

 

同じミルクの粉タイプですと900グラム入りで11ポンド(1,408円)。100mlを作るのに約20ペンス(26円)なので、一番コスパの高い1L入りを買ったとしても液体ミルクのほうがずっと高くつきます。日本でどういう価格設定になるのかわかりませんが、完全ミルク育児を液体ミルクだけでするのは金銭的に負担が大きいかもしれません。しかし、未開封なら常温での保管が可能で、粉ミルクと違って調乳する必要がありません。残って冷蔵庫に入れていたものでも、湯煎して温めるくらいです。とにかく手間がかからないのがメリットです。

 

こんなときに便利でした

産後すぐの大変な時期に

日本では入院中にきちんと授乳の指導をしてもらって、こんな状況になる人はいないのかもしれませんが、イギリスで出産し翌日に退院した私は産後5日目の検診で母乳が全く足りていないと指摘されました(詳しくは過去記事で)。娘は黄疸になりかかって元気もなく、大至急ミルクをあげる必要がありました。そのときに夫が大急ぎで買ってきたのが、使い捨て乳首のついたスターターパックでした。とにかく余裕がなかったので、哺乳瓶も必要ないこのミルクには助けられました。生後すぐの新生児なので1回70mlでも十分でした。

 

外出時の安心のため

産後1か月が経ち、夫と娘と3人で初めて車で20分程のショッピングモールに買い物にいったときのことです。小さなモールだったので授乳室もなく、地下駐車場の暗い車の中で慣れないケープをつけて授乳をしました。授乳後すぐに出発したのですが、慣れない外での授乳に娘もお腹いっぱい飲めなかったのか、帰宅途中の車の中で泣き始めてしまいました。運悪く道は渋滞し普通は20分のところ倍以上時間がかかり、渋滞にはまって車を止めることもできず、停車しないと授乳もできないので号泣する娘になすすべもなかったという経験があります。

それ以来、娘とお出かけの時は念のためスターターパックを1本、安心のためにバッグに入れていくようになりました。結局その安心ミルクを使うことは一度もなかったのですが、慣れない赤ちゃんとのお出かけには心強かったです。特に夫は短時間でも娘を連れて出かけるときは必ず持ち歩いていました。粉ミルクと違ってお湯を準備しておく必要もないので、手軽に持ち運べるのは液体ミルクの大きな魅力だと思います。

 

母乳がちょっと足りないとき

最初から母乳不足だった私は、母乳育児が軌道に乗るまで2、3か月かかりました。疲れのせいかどうしても夕方になると足りなくなってしまい、かなり長い間授乳しても娘は満足せずずっと欲しがる、という状態が続きました。十分な母乳を出せるようになるには頻回授乳をするしかないとアドバイスをもらったので、できる限りあげ続けました。それでも、どうしても無理!というときに200mlのボトルを使っていました。

母乳をあげてもあげても満足せずグズり続ける赤ちゃんを前に、お湯を沸かして粉ミルクを溶かす余裕なんてありません。そういうとき、液体ミルクならさっと開けて哺乳瓶に移してあげることが可能です。開封後に冷蔵庫で冷やしておいたものを湯煎する場合でも、お湯を沸かして冷ますよりずっと早くあげられます。

 

夫があげるとき

混合育児の間は夫も授乳してくれていました。夫があげるときも、搾乳しておいた分があればそれをまずあげて、足りなかったら液体ミルクを追加したり、搾乳分がないときは液体ミルクだけをあげたりしていました。できれば母乳だけにしたいと思っていたので、大きな缶でしか売っていない粉ミルクは買わずに、200mlのボトルをちょこちょこと買い足していました。

産後しばらくして体力が回復してからは、母乳量増加を目指すようになってからは直接母乳をあげるだけになりましたが、まだとにかく疲れていた間はとても助かりました。

 

夜間授乳に

イギリス人ママ達の話を聞くと、寝かしつけや夜間授乳はずっと哺乳瓶で、という人も結構いました。そうすることで哺乳瓶拒否を防げるし、寝かしつけはお母さんしかできないというような事態も避けられます。夜中に起きる負担をパートナーと分担する、という意識もあるようです。

私たちも産後1ヵ月間は夜中の娘のお世話は夫と分担していました。なので夜間授乳には頻繁に液体ミルクを使っていました。夜に粉ミルクを作るという発想すらなかった私たちですが、準備が楽な液体ミルクのほうが負担が少ないのではないでしょうか。 粉ミルクに比べて割高なので完全ミルク育児を全部液体ミルクでするとお金がかかりそうですが、夜間授乳の回数が多い間は夜だけ液体ミルクにするとか、選択肢が増えると思います。

液体ミルクで簡単に授乳できるようになれば、日本のお父さんたちも育児参加しやすくなるのでは、と期待しています。特に夜中に起きて粉ミルクを作るのは辛いと思うので、少しでも楽になれば協力しやすくなるのではないでしょうか。

 

長時間の乗り物移動時

娘が生後4ヵ月のとき、私たちは日本へ行きました。この頃には完全母乳になっていたのですが、飛行機の中で何があるか分からないので、念のため余っていたスターターパックを持っていきました。国際線の手荷物は液体物の持ち込みに制限がありますが、赤ちゃんのミルクは対象外でいくらでも持ち込めます。(実際に赤ちゃん連れで乗る際は、運行会社や空港の情報を確認して下さいね。)結局ケープで授乳し12時間のフライトを乗り切りましたが、当時もしまだ混合育児をしていたなら、大量の液体ミルクを持ち込んだと思います。飛行機ならお湯をもらって粉ミルクを作ることも可能ですが、新幹線などそれもできない乗り物に長時間乗るときは便利だと思います。

 

体調が悪いとき

フライトでは使用しなかった液体ミルクは日本にいる間に役に立ちました。滞在中にウィルス性胃腸炎にかかり、2日間何も食べられない状態になったからです。すぐに母乳が足りなくなり、味も悪くなったのか飲みながら怒って泣く娘。この頃、哺乳瓶拒否でミルクは飲まなくなっていたのですが、足りない母乳に背に腹は変えられずか、久しぶりのAptamilを飲んでくれました。体調が最悪で何もできないようなとき、液体ミルクは本当に楽です。

そして、この直後に熊本地震が起こり、連日の報道を日本で見ることになりました。胃腸炎で簡単に足りなくなってしまった私の頼りない母乳。災害で避難することになんてなったら止まってしまうかもしれません。避難所にいる赤ちゃん連れのお母さん達は本当に大変だったと思います。自然災害の多い日本にこそ液体ミルクが必要だと感じました。

 

 

以上が液体ミルクを実際に使ってみた私の感想です。最終的には母乳育児になった私でもこんなに便利なことがありました。日本でも早く安全性を確認し、制度を整え、子育て中のお母さんお父さんたちの生活が少しでも楽になることを願っています。

 

=追記=

その後、政府は2020年の東京オリンピックを販売開始の目標に掲げたというニュース記事を見つけました。

headlines.yahoo.co.jp

ミルク飲むような赤ちゃん連れの親って、海外からのオリンピック観戦の客層としては少数派なんじゃ…と思いつつ、2-3歳用なんてものも売っているので、赤ちゃんじゃなくても飲ませてる親もいるのかな。それにしても、2歳って長時間座ってスポーツ観戦できるのでしょうか…とか、考えてしまいましたが、オリンピックを目指して販売実現してもらえたら嬉しいですね。