イギリス子育てレポート

イギリスで子育て奮闘中。調べたこと、やってみたこと、感じたことをレポートします。

イギリスで出産したら翌日に退院させられるって本当?

イギリスで出産する(した)、と言うと必ず聞かれるのが上の質問。キャサリン妃がシャーロット王女を産んだとき、産後10時間も経たずにハイヒールをはいて笑顔で退院していく様子は日本でも報道されて驚きだったと思います。

ちなみに、イギリス人の義母は、産後すぐにハイヒールなんて一般女性にプレッシャーを与えると憤慨していたし、イギリス人ママ友達も産後半年頃に友人の結婚式に行くため、久しぶりのハイヒールに緊張したりしているので、こんな様子が一般的なわけじゃありません。

この質問に対して私は「必ずしもさせられる訳ではありません」、と答えます。産後体調が優れずしばらく入院していたという知り合いもいます。ですが、私は翌日に退院しました。出産時の会陰裂傷で下半身麻酔の手術をしたことと、授乳のやり方もいまいちコツがつかめていなかったからか、優しいナースには「自信がなかったらまだここに居てもいいのよ」と言われましたが、退院しました。確かに自信は無かったけれど、空調もなく窓が壊れて開かない病室は冬なのに暑すぎで(新生児がいるのに!)、かたいベッドは寝てても座ってても腰が痛く、食事はイギリス料理はマズイって言われても仕方がない程ひどいものだったから。最近ロンドンには美味しいレストランがいっぱいあるけど、病院食を改善させるほどイギリスの食は向上していないと痛感。残念。

 

ただ、私はこの選択で間違ってなかったと思います。まだ頭が働かず英語がおかしくなっていた私は、病院では夫にずっと付き添っていてもらいたいけど、彼は床で寝ることになっていたので、もう一泊するのはあまりにもかわいそう。私自身も帰宅すれば寝心地の良い自分のベッドで眠れるし、日本から来てくれた母親の美味しい和食が食べられる。退院の許可がおりた後は、迷わず帰宅しました。家に着いた後は、家事は母に全部してもらい、赤ちゃんのお世話も夫と2人で試行錯誤しながら頑張り、産後ハイもあったのか辛かった記憶はありません。そして退院の翌朝すぐ、事前に聞いていた通り、最寄りの指定のヘルスセンターから助産師さんが来てくれました。退院後2、3日は誰かが様子を見に来てくれると聞いたのです。新生児を抱えて右も左もわからない初産婦を放り出すほど、イギリスの医療はひどくはないはず、と信じていました。

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助産師さんは赤ちゃんの様子を見て体重を測り、一緒に授乳のやり方を確認。「よく寝てくれるいい子と思ったかもしれないけど、ちょっと黄疸になりかかってるから、起こしてでも授乳するように」とのこと。言われてみれば黄色っぽいかも…ですが、言われるまで私も夫も母も誰も気付かず。運悪くこの日は金曜日。「明日明後日は週末で誰も来られないから、もし何か問題があったら産んだ病院に連絡して、そこのA&E(Acciednt & Emergency=救急外来)に行ってね」と、言われてちょっと不安に…。さらに、「次の検診は月曜、ヘルスセンターまで来てね」と言われたときは目が点になりました。産後5日目、まだまだ切れた後が痛く家の中を歩くのが精一杯なのに、徒歩15分のヘルスセンターにたどり着けるのか。毎日来てくれると思ってたのに、ちょっと聞いてた話と違うぞ。

 

そして、最悪の事態は日曜に起こりました。朝起きると、娘の顔が明らかに黄色い。授乳とオムツ替えを記録したメモを見ると、もう24時間うんちをしていない。言われたとおりに病院に電話し様子を伝えると、念のためにA&Eに行くことに…長くなったので次の記事に続きます。

子育て情報だって信用できるソースから

私の妊娠が分かってすぐに夫と2人で決めたことがあります。妊婦向け雑誌は買わない。雑誌のスポンサーにとって良いように書かれた情報や、購買意欲を掻き立てるように書かれた情報に振り回されないようにするためです。(出産後は、むしろ子育て便利グッズとか赤ちゃんの服のコーディネートとか、むしろ色々買い物して日本の母から送ってもらうため、日本の赤ちゃん雑誌の電子版をせっせと読んでいましたが!)

妊娠、出産、子育てについての情報って、どこまで科学的に立証されているのかわからないものが多いですよね。病気と違って妊娠、出産は研究対象としてよりも、実体験として語られることが多いものだからかな、と思いますが。イギリスでもold midwive's taleと言って、「つわりがひどいのは、お母さんの美を盗むためで女の子」とか、「カレーを食べると産まれてくる」とか色々あります。娘は予定日から10日遅れだったので、○○すると産まれてくる系は、あれこれやってみた(主に食べてみた)けれど、あまり効果はなかったようです。

このブログは、主に私が実践してみた個人的な子育て経験の話が中心です。ですが、そのやりかたを選んだ理由として、どんな育児書を読んだり、どんな話を参考にしたかも書いていきます。私の周りのイギリス人ママ達がどんな風に子育てしているか、とういう話は一般化するには十分なものではありませんが、こんな人が結構いるよ、という範囲で伝わるといいな、と思っています。

 

妊娠中に参考にした情報

NHSのウェブサイト

www.nhs.uk

イギリスの国営医療サービスNational Health Serviceのウェブサイトです。基本的にイギリスの医療はNHSで無料です。無料なので治療を受けるまでに時間がかかったり、必要最低限の治療しかしてもらえない、などといった批判もあります。それでも、医療は全ての人に公平で平等に提供されるべきという信念のもとに続けられているNHSのサービスは素晴らしいものだと私は思っています。ウェブサイトの情報も、国が責任をもって提供しているものですし、WHOの指針に従っているので信用できます。

What to Expect When You're Expecting

What to Expect When You're Expecting 5th Edition (English Edition)

What to Expect When You're Expecting 5th Edition (English Edition)

 

 イギリスの本屋さんの妊娠、出産コーナーに行くと必ず平積みされている本。妊娠、出産に関することなら全て網羅されています。

 

子育てに参考にした情報

 What to Expect the First Year

What To Expect The 1st Year [rev Edition] (English Edition)

What To Expect The 1st Year [rev Edition] (English Edition)

 

妊娠中に読んだWhat to Expectシリーズの産後1年目編です。こちらも同じように、月齢ごとの情報をベースに、安全な部屋作りや離乳食の進め方、病気や怪我への対処法などまで、育児に関する辞典のような本。

The New Contented Little Baby Book

The New Contented Little Baby Book: The Secret to Calm and Confident Parenting

The New Contented Little Baby Book: The Secret to Calm and Confident Parenting

 

著者の古い本は日本語の翻訳が出ていますが、きっちりしすぎな印象を与える一日のスケジュールや自力で眠れるようにしばらく泣かせる方法に賛否両論ありますね。ここまできっちりするかは個人差がありますが、赤ちゃんのために一日のスケジュールを決めるのはこちらでは一般的です。私もこの本をガイドラインとして使用しました。詳しくは個別記事で。

赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド

赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド

赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド

 

生後2か月、眠くて不機嫌なのに上手にお昼寝できない、抱っこでやっと寝たのに置くと泣く娘に困って読んだ本。ジーナ・フォードより優しい書き方に安心感がありました。こちらも詳しくは個別記事にします。

NCTのウェブサイト

NCT | The UK's largest charity for parents.

National Childcare Trustという妊娠中から産後1年目までの家庭をサポートを目的にイギリスで全国展開しているチャリティ団体のウェブサイトです。

はじめまして

2015年12月にイギリスで娘を出産。新生児なんて見たことすらなかった私と夫にとって、育児はわからないことだら。日本語と英語、両方の育児書を読みあさり、同じような悩みを抱えるお母さんたちのブログを読んでは励まされてきました。

 

生後半年から赤ちゃんと両親は別室で就寝、離乳食は最初から手づかみ食べ。イギリス式子育ては、少し聞いただけではぎょっとするような話が沢山あります。ですが、信用できるソースの情報を読み、自分の子供にあったペースで実践すると、決して無茶なことを言っているわけではありませんでした。いつの間にか、私たちの育児はイギリスで一般的な方法をベースに、日本語で得た情報を取り入れる、というような形に落ち着きました。そして、現在生後10か月の娘は私たち夫婦とは別室で、夜7時から朝7時までぐっすり眠り、食事は今のところ問題なくむしゃむしゃと自分で食べています。

 

子育ては正解が存在しない選択を、日々繰り返すようなもの。その選択は大きなものから小さなものまで様々です。何が自分たちの子供にとって最良の選択なのか、どのお母さんもお父さんもいつも頭を悩ませているのだと思います。私が色々なお母さんたちのブログに共感し励まされてきたように、私たちが調べて知ったこと、実践してみて感じたことが、ちょっとでも誰かの子育ての手助けになれば、と思ってこのブログを始めました。

 

もちろん、私たちが実践した方法が、全ての赤ちゃんにも合うものとは限りません。ですが、イギリスに住む日本人家族や、海外の子育てに興味がある方に、少しでも参考になる情報を提供していきたい、と思っています。

 

…が、ずっとブログを書きたいと思いつつ、やっと書き始めた今日は仕事復帰の1週間前です。復帰してもなんとか続けられるかな!よろしくお願いします。