イギリス子育てレポート

イギリスで子育て奮闘中。調べたこと、やってみたこと、感じたことをレポートします。

最初から手づかみ!?イギリス式離乳食

離乳食に見えるお国柄

日本とイギリスの子育て情報で一番違いがあるのは多分離乳食です。日本語の離乳食本を見ると、1、2ヶ月毎に食べさせていいものが少しずつ増えていって、お粥の炊き方が少しずつかたくなって、1日の食事の回数も慎重に慎重に1回から3回にしていく。とにかく慎重!みんな本当にこんなに細かくやってるのでしょうか?

特にタンパク質は慎重で、私も真似して豆腐からスタートしてお魚をあげて、お肉は鶏肉の脂身が少ない部分からってやってたら、7ヵ月頃こっちの保健師さんに「6ヵ月過ぎたから、お肉は何でもあげていいのよ!」と言われてビックリ。時期は個人差があるだろうけど、消化しやすいものから順番に試してみるに越したことはないように感じますが・・・。なんでもきっちり慎重な日本と、ゆるゆる適当なイギリス。何でもそうですが、離乳食もそんな感じです。

 

そして、日本の食卓に欠かせない大切な食材お米、日本では10倍粥に始まって軟飯、普通のご飯と離乳食を進める指針の一つみたいになっていますが、イギリスでは単なる食材の一つでしかありません。ただ、消化がいいから離乳食向きであるという認識はあるようで、baby riceというものが離乳食初期から食べられるものとして売られています。元植民地インドの影響で色々な種類のカレーが食べられるイギリスでは、大人が食べるお米は、バスマティ米(Basmati rice)と呼ばれるタイ米のような細長くてパラパラしたものが、カレーのお供で最も一般的です。でも、離乳食用のbaby riceは日本のお米のように短くてべちゃっとしているようです。

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このbaby riceが日本のお粥と決定的に違うのは、ミルクと混ぜてrice puddingとして食べること(イギリスでpuddingというと、デザート一般を指し日本のプリンとは全く別物です)。でも、ご飯とミルクという組み合わせがどうしても私には受け入れがたく、日本のお米も常備してあるので、結局baby riceを試すことはなかったのですが。ただ、日本のお粥が離乳食でも主食になるのと違って、baby riceをにんじんやじゃがいもなどと並んで離乳食初期に食べさせてみましょう、という程度です。

 

手づかみ食べ推進イギリス式離乳食

さて、そんなイギリスの離乳食ですが、日本式のようにドロドロにした食べ物を親がスプーンであげる、親主導のspoon feedingは古いやり方と考えられています。親が目の前に何種類かの食べ物を並べ、赤ちゃんが自分で好きなものを選んで食べる、赤ちゃん主導の離乳食baby-led weaning (BLW)が、より良いやり方という考え方が広がってきているようです。日本式でも9ヵ月頃から手づかみ食べを推進していますが、イギリスではもっと早くから、人によっては最初から全部手づかみ食べ。どこまで徹底的にスプーンを使用しないかは人それぞれだけど、基本的に手づかみ食べのほうが良いという考えが浸透しているようです。

できるだけ和食を食べさせたいから、離乳食は日本式で進めたかった私。10倍粥なんて手づかみじゃ無理だし・・・。そんなにも赤ちゃん主導で進めるのが良いのか、BLWの第一人者Gill Rapleyの本を読んでみました。

 

Baby-led Weaning: Helping Your Baby to Love Good Food

Baby-led Weaning: Helping Your Baby to Love Good Food

 

 

スプーン食べは本当にダメ?

この著者、最初から激しくスプーンで食べさせることを非難していて、あまりの激しさに反対に身構えてしまうほどです。非難している内容としては、

 

  1. 嚙む力が育ちにくく、発語や消化器官の発達に影響を与える
  2. 自分で口に運ぶより丸呑みしやすい・えずきやすい
  3. すぐに飲み込めて早く食べられるから必要以上に食べてしまう
  4. 早い時期から離乳食を食べすぎてしまい、より栄養豊富な母乳や粉ミルクの摂取が減ってしまう
  5. 食べさせられるのは赤ちゃんにとって楽しくない

 

というもの。1つ目の指摘は、ドロドロからツブツブを1、2か月毎に徐々に大きくしていく日本式なら、問題ないような気がしました。楽しくない、というのは本当かもしれないけど、それ以外は本当なのか単に不安を煽られたような気分になりました。特に気になったのは「食べすぎる」という点。5歳児の約10%が、10歳児の約20%が肥満という問題を抱えているこの国で生きていくので、悪い食習慣を身に着けてしまうのは出来るだけ避けたいものです。

 

でも、本の中に上の内容について科学的に実証された根拠は書かれておらず、本当に絶対スプーンだめの?大げさなんじゃない?という印象が否めません。そういう傾向はあるのかもしれませんが、スプーンで食べさせていたから絶対に食べすぎる訳ではないだろうし、嚙む力は細かい日本式離乳食の本に従って徐々にやっていくほうが良いだろうと判断し、娘の離乳食は10倍粥でスタートしました。

この本、この後ぎょっとする内容がどんどん飛び出してきます。絶対日本式のほうがいい!と意気込んではじめての離乳食をスタートしました。が、試行錯誤の結果、結局ある程度この本を参考に離乳食を進めることになったので次回詳しく書いていきたいと思います。