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イギリス子育てレポート

ロンドンで子育て奮闘中。調べたこと、やってみたこと、感じたことをレポートします。

小規模保育が充実、イギリスの保育制度について

仕事と育児

仕事復帰の話が続いてきたので、今日はイギリスの保育制度(チャイルドケア)について書いてみたいと思います。スリープトレーニングの話は中断したままだけど…。ロンドンでは、日本の大都市のように待機児童が問題化するというほどではありませんが、チャイルドケアを探すのは大変だよね~、という認識は一般的です。子供がいる友達に妊娠したことを伝えると「今のうちに保育園探しておいたほうがいいよ」とアドバイスをもらったりもしました。でも、周りの人たちみんな何かしら見つけているので「大変だよね~」と語尾を伸ばせちゃう程度のような気もします。

 

注*2016年10月に私が住むロンドンの自治体の情報を元に書いています。実際にイギリスでチャイルドケアを探す場合は、自治体によって異なる点があると思いますので、ご自身で最新の情報をご確認ください。特にイングランド、ウェールズ、スコットランドで管轄機関も異なります。

 

Nanny(ナニー)

自分の自宅に来て子供のお世話してくれる人のことです。自宅に住み込みでお世話する場合は、au pairs(オーペア)と呼ばれます。イギリスの保育に関わる個人、団体は基本的にOfstedという政府系機関に登録する必要があるのですが、自分たちの自宅で子供を見てもらうナニーは登録の必要がありません。ただ、自主的に登録することも可能ですし、チャイルドケアへの助成金の申請はOfstedに登録されているサービスを使用する場合でないとできません。また、自宅以外の場所に預かってもらったり、ナニーシェアといって2家族以上で同時に預かってもらう場合はチャイルドマインダーとして認識され、Ofstedへの登録が義務づけられています。

ナニーを雇う両親は雇用主になるので、法律に従って最低賃金を守り、年金や国民健康保険料などを支払う義務が生じます。人を雇うと考えるとなかなか大変そうですね。私の憶測ですが、ナニーの紹介所は沢山あるので、きっとそういった業者が必要な知識を説明しサポートしてくれるのだと思います。

一対一で見てくれるので、当然他のチャイルドケアよりも値段はお高め。でも、私の住んでいるエリアの赤ちゃん向けのレッスンなどには、ナニーに連れられた子供が結構います(人種が違ったりするので簡単にわかります)。私みたいに給料の大部分がチャイルドケアに飛んでしまう家庭も普通なのに、余裕がある家庭もあるものですね。

 

Childminder(チャイルドマインダー)

個人の自宅で数人の子供を見る制度です。チャイルドマインダーはナニーと違ってOfstedに登録する必要があります。登録には、救急処置や食品衛生などチャイルドマインダーのための講座を修了しているか、子供と関わることに問題がある犯罪歴がないか等が確認され、チャイルドケアに適した設備が用意されているか訪問審査も行われます。登録後も定期的な審査があり、資格等の更新も必要です。Ofstedのレポートはオンラインで参照可能です。

1人のチャイルドマインダーにつき、1歳未満は1人まで、3歳未満は3人まで、8歳未満は6人まで認められています(8歳以上の子供を預かる場合はOfsted登録の義務はありません)。本格的な設備を用意しアシスタントを雇って、倍の数の子供をお世話する小規模な保育園のようなチャイルドマインダーもいます。

ナーサリーより少し安めだし、ずっと1人の人がみてくれるので、子供にとって第2のお母さんみたいになってもらえたら安心です。ですが、信頼できる人を見つけるのは簡単ではありません。まずは自治体のリストやオンラインサービスから良さそうな人を探します。何度か会って資格などの証明書を確認し、自宅を見せてもらい、その人に子供を預けている両親を紹介してもらいレファレンスという推薦書を書いてもらって、全てを吟味して決めます。ナニーと違って自営業になるので金額はチャイルドマインダー自身で設定し契約を結びます。

0歳児の親にはナーサリーよりもチャイルドマインダーのほうが人気がある印象があります。保育園の籍を確保したけど、できればチャイルドマインダーがよくて良い人を探してる、という友人もいました。

 

Nursery (ナーサリー:保育園・幼稚園)

地方自治体が運営していてる小学校と併設されているnursery schoolや、自治体からは独立した団体が運営しているday nurseryなどあります。全てのナーサリーはOfstedに登録されている必要があります。自治体運営のnursery schoolは大体3歳以上の子供を9時から15時まで預かる日本でいる幼稚園のような感じで、その他のナーサリーは入れる年齢や預かってくれる時間がそれぞれ設定されています。前者は日本の幼稚園で、後者が0歳から入れてフルタイム預けられる保育園のような印象です。

また、イギリスでは3~4歳の子供は週15時間、年間38週の無料の早期教育を受けることが保障されています(収入が低い家庭や障害などのある子供には2歳から)。まず、自治体運営のnursery schoolは無料です。共働きだと無料のnursery schoolへ送り迎えできないので、仕事に行く前にチャイルドマインダーに子供を預けてナーサリーへの送り迎えをしてもらう、というのはよく聞く話です。自治体以外が運営しているナーサリーに預けている場合は、前述の期間にかかる費用分の手当を受け取ることできるようです。現在政府は、この手当を週30時間に延長しようとしているようですが、そのための保育士が足りていないというニュースを見たことがあります。政治は子育て世代を応援しているアピールをしていても、実態はそうはいかないのはどこの国でも同じですね。

チャイルドマインダーもそうですが、ナーサリーはOfstedによってoutstanding, good, satisfactory(優、良、可)といった評価がつけられています。ただ、outstandingだからといって全ての子供と親御さんに合うとは限りません。特にOfstedは算数、国語(この国ではつまり英語ですが)などの早期教育を重視しているので、のびのび自由に遊ばせることを優先している素晴らしいナーサリーがgoodとなる、なんてことも有り得ます。やはり自分の目で見て確かめるのが大切かと思います。

私たちは結局チャイルドマインダーが決まったのでナーサリーは申し込みませんでしたが、念のため調べた際、入園の可否に関わらず申し込みにお金を払うのが普通だったので、入園の競争率は激しいのだと思います。それでも、チャイルドマインダーもかなりの数の人がやっていますし、金銭的に余裕がある家庭ではナニーを雇うのは一般的なので、仕事復帰前に何かしらのチャイルドケアを見つけることは可能だという印象です。

 

その他

上の3つがフルタイムで預ける一般的な選択肢ですが、この他に、夜出かける間とか短い時間だけ自宅で子供を見てもらう場合はbabysitter(ベビーシッター)、短時間プレイグループなどの施設で預かってもらう一時保育を提供するcreche(クレシュ)などあります。

 

 

以上、私の住んでいる自治体の情報を元に書きましたが(リンクを貼ると住んでいる場所がかなり特定されるので割愛します)、下のサイトから各自治体のチャイルドケアの情報にアクセスできます。

www.gov.uk

娘を預けるためにナーサリーを調べていたときにも感じたのですが、色々な形態のナーサリーがあったり、ナニーとチャイルドマインダーについては細かい規則があり、なかなかややこしいです。もし私の理解が間違っていることがありましたら教えていただけると助かります。また、この記事が少しでもイギリスで働く日本人のお父さんお母さんの参考になれば幸いですし、日本にもナニーやチャイルドマインダーのような小規模保育の選択肢が広がって、待機児童の問題が早く解消することを願っています。