イギリス子育てレポート

イギリスで子育て奮闘中。調べたこと、やってみたこと、感じたことをレポートします。

仕事復帰初日を終えて。

今日、無事に仕事復帰してきました。スリープトレーニングについて書き途中でしたが、色々と思うことがあったのでこの気持ちが新鮮なうちに、今日のことを書き留めたいと思います。

 

復帰直前、心境の変化に戸惑う

実は、1か月くらい前から仕事に戻るのを楽しみにしていました。家にいるとあちこち動き回ってなんでも口に入れようとする娘に「これはダメ!あれは危ない!」と言い続けないといけないのがストレスで、だからといって毎日午前も午後も娘を連れてお出かけするのにも疲れを感じてきていました。夫から仕事の話を聞いていると、赤ちゃん以外の世界に属していることが羨ましく感じられたりもしていました。娘は、もうしっかり離乳食とお昼寝のリズムができていて、最初は場所見知りするけどお出かけが大好き。人見知りは一時期したけど今は大したことありません。だから、預けて他の子供達から刺激を受けるのは悪いことじゃないだろう、と仕事復帰に対して前向きに考えてました。

 

先週の慣らし保育はとてもスムーズにスタートして、今週の月曜火曜は丸1日預けていよいよ水曜から復帰、という段階に。が、娘も何か察したのか、今週入ってからは預けて帰るとき、泣きそうな顔で何か叫びながら私のほうに手を伸ばすようになりました。お迎えのときに1日の様子を聞くと、チャイルドマインダーさん(政府機関の認可のもと、自宅で少人数の子供をみてくれるイギリスでは一般的な小規模保育です。)にずっとくっついて離れず、トイレにいくときも泣きながらついてきたそう。後追いはするけど泣くことは今までなかったのに。火曜日には、用意したお弁当をいつも大食いの娘があまり食べず…復帰前日になって、前向きに考えていた仕事復帰が急に良いことなのかわからなく思えてしまいました。

 

そして迎えた復帰当日

今日は何かあったときのために夫は自宅から仕事し、私の負担を減らすため娘の送り迎えもしてくれました。送りをしてもらわなかったら、かなり心理的負担が大きかったかも。やっぱり子供の悲しい顔を見るのは辛いですね。久しぶりに満員の地下鉄に乗って、みんな無表情のまま速足で歩くオフィス街を、自分も同じように歩いているのが信じられませんでした。職場に着いてからもなんだか頭はフワフワ。まずIDを忘れていて自分のパソコンにログインできない。共有カレンダーもメールシステムも新しくなってて、使い勝手がちょっと違う。産休前の状態に復元しておいてくれたパソコンなのに、よく知っているように見えて実はよく分からない不思議な状態。

 

そんな浦島太郎な私だったけれど、挨拶に社内をまわると、みんなに優しく迎えてもらいました。色々と不満もある会社だけど、ここには私の居場所があるんだと改めて感じた瞬間でした。私の働いている会社はある日系企業のヨーロッパ本部なんだけれど、所属チームは私以外みんなイギリス人なので仕事はほとんど全て英語です。さっそくチームミーティング。3年前にこの仕事を始めたときは、英語でのミーティングに死ぬほど緊張して、今日も1年のブランクはどうだろうと思ったのに、英語で普通に質問をしてジョークを言い合ったりしている私がいました。ミーティングの後はよく使うシステムの新しい機能のトレーニング。いない間に色々変わっていることに不安を感じるんじゃないかと思っていたのに、前と同じことをただ繰り返すんじゃなくて、新しく学ぶことがあると嬉しく思えたのでした。

 

なんのために働くのか

私のしている仕事なんて大したものじゃないのに、小さな子供を預けて働くのはなんのためなんだろう。働くお母さんは誰もが考えるのではないでしょうか。私の給料の大部分はチャイルドマインダーにかかる費用で飛んでしまうので、金銭的なプラスはわずかです。でも、今日感じたのは、仕事を通して自分の成長を感じられることは、私にとってとても大切ということ。娘の子育てを通しても、もちろんたくさん成長させてもらいました。行ったことないところに行くのはあまり好きじゃなかったのに、娘のためなら頑張って毎日お出かけしてきました。そのおかげで沢山新しい友達もできました。

 

それでも仕事をしていると、半年前はこんなことに苦労してたのに今は簡単にできるようになったとか、こういう問題があったのをこんな風に改善してきたとか、分かりやすく自分の成長や功績が感じられるのだと思うのです。こうして書いてみると、子育てはもっとすごいことを達成してるのに、(例えばミルクしか飲めなかった赤ちゃんがバナナを食べられるようになったとか本当にすごいことですよね)それを具体的に感じる機会があまりなく日々忙殺されていくから、ストレスに思うようになってしまうのかな。自分の成長という目的を考えると、仕事も子育ても両方させてもらえるっていうのはとても贅沢なことのように思えてきました。

 

実際、とてもありがたいことに私には、私を評価して必要としてくれる職場がある。ただの承認欲求を満たすためだけに働くのか?と自問自答してしまうときがあるのだけど、やっぱりそういう居場所があるのは心の支えになります。私が働くことを全力でサポートしてくれる家族もいます。そして、私達は当然日本で子育てしながら働くよりずっとやりやすい環境にいます。娘には我慢させてしまうときがこれからもあるかもしれないけど、今日一日を終えてみて、子育てと仕事と両方欲しいっていう贅沢をもう少し続けさせてもらいたいと思いました。

 

仕事が終わって大急ぎで家に帰ると、娘は夫と2人でいないいないばあのDVDを見ていたらしくリビングから笑い声。私に気づくと満面の笑顔で私のことを指さして、ハイハイしてきてくれました。夫曰く、今日は月曜火曜よりはかなりましになって、多めに用意しておいたお弁当も完食、パーフェクトだったと言われたらしい。それを聞いたら嬉しくて嬉しくて涙が出そうでした。2人とも今日は1日がんばったよね。明日も一緒にがんばろうね。