イギリス子育てレポート

イギリスで子育て奮闘中。調べたこと、やってみたこと、感じたことをレポートします。

小規模保育が充実、イギリスの保育制度について

仕事復帰の話が続いてきたので、今日はイギリスの保育制度(チャイルドケア)について書いてみたいと思います。スリープトレーニングの話は中断したままだけど…。ロンドンでは、日本の大都市のように待機児童が問題化するというほどではありませんが、チャイルドケアを探すのは大変だよね~、という認識は一般的です。子供がいる友達に妊娠したことを伝えると「今のうちに保育園探しておいたほうがいいよ」とアドバイスをもらったりもしました。でも、周りの人たちみんな何かしら見つけているので「大変だよね~」と語尾を伸ばせちゃう程度のような気もします。

 

注*2016年10月に私が住むロンドンの自治体の情報を元に書いています。実際にイギリスでチャイルドケアを探す場合は、自治体によって異なる点があると思いますので、ご自身で最新の情報をご確認ください。特にイングランド、ウェールズ、スコットランドで管轄機関も異なります。

 

Nanny(ナニー)

自分の自宅に来て子供のお世話してくれる人のことです。自宅に住み込みでお世話する場合は、au pairs(オーペア)と呼ばれます。イギリスの保育に関わる個人、団体は基本的にOfstedという政府系機関に登録する必要があるのですが、自分たちの自宅で子供を見てもらうナニーは登録の必要がありません。ただ、自主的に登録することも可能ですし、チャイルドケアへの助成金の申請はOfstedに登録されているサービスを使用する場合でないとできません。また、自宅以外の場所に預かってもらったり、ナニーシェアといって2家族以上で同時に預かってもらう場合はチャイルドマインダーとして認識され、Ofstedへの登録が義務づけられています。

ナニーを雇う両親は雇用主になるので、法律に従って最低賃金を守り、年金や国民健康保険料などを支払う義務が生じます。人を雇うと考えるとなかなか大変そうですね。私の憶測ですが、ナニーの紹介所は沢山あるので、きっとそういった業者が必要な知識を説明しサポートしてくれるのだと思います。

一対一で見てくれるので、当然他のチャイルドケアよりも値段はお高め。でも、私の住んでいるエリアの赤ちゃん向けのレッスンなどには、ナニーに連れられた子供が結構います(人種が違ったりするので簡単にわかります)。私みたいに給料の大部分がチャイルドケアに飛んでしまう家庭も普通なのに、余裕がある家庭もあるものですね。

 

Childminder(チャイルドマインダー)

個人の自宅で数人の子供を見る制度です。チャイルドマインダーはナニーと違ってOfstedに登録する必要があります。登録には、救急処置や食品衛生などチャイルドマインダーのための講座を修了しているか、子供と関わることに問題がある犯罪歴がないか等が確認され、チャイルドケアに適した設備が用意されているか訪問審査も行われます。登録後も定期的な審査があり、資格等の更新も必要です。Ofstedのレポートはオンラインで参照可能です。

1人のチャイルドマインダーにつき、1歳未満は1人まで、3歳未満は3人まで、8歳未満は6人まで認められています(8歳以上の子供を預かる場合はOfsted登録の義務はありません)。本格的な設備を用意しアシスタントを雇って、倍の数の子供をお世話する小規模な保育園のようなチャイルドマインダーもいます。

ナーサリーより少し安めだし、ずっと1人の人がみてくれるので、子供にとって第2のお母さんみたいになってもらえたら安心です。ですが、信頼できる人を見つけるのは簡単ではありません。まずは自治体のリストやオンラインサービスから良さそうな人を探します。何度か会って資格などの証明書を確認し、自宅を見せてもらい、その人に子供を預けている両親を紹介してもらいレファレンスという推薦書を書いてもらって、全てを吟味して決めます。ナニーと違って自営業になるので金額はチャイルドマインダー自身で設定し契約を結びます。

0歳児の親にはナーサリーよりもチャイルドマインダーのほうが人気がある印象があります。保育園の籍を確保したけど、できればチャイルドマインダーがよくて良い人を探してる、という友人もいました。

 

Nursery (ナーサリー:保育園・幼稚園)

地方自治体が運営していてる小学校と併設されているnursery schoolや、自治体からは独立した団体が運営しているday nurseryなどあります。全てのナーサリーはOfstedに登録されている必要があります。自治体運営のnursery schoolは大体3歳以上の子供を9時から15時まで預かる日本でいる幼稚園のような感じで、その他のナーサリーは入れる年齢や預かってくれる時間がそれぞれ設定されています。前者は日本の幼稚園で、後者が0歳から入れてフルタイム預けられる保育園のような印象です。

また、イギリスでは3~4歳の子供は週15時間、年間38週の無料の早期教育を受けることが保障されています(収入が低い家庭や障害などのある子供には2歳から)。まず、自治体運営のnursery schoolは無料です。共働きだと無料のnursery schoolへ送り迎えできないので、仕事に行く前にチャイルドマインダーに子供を預けてナーサリーへの送り迎えをしてもらう、というのはよく聞く話です。自治体以外が運営しているナーサリーに預けている場合は、前述の期間にかかる費用分の手当を受け取ることできるようです。現在政府は、この手当を週30時間に延長しようとしているようですが、そのための保育士が足りていないというニュースを見たことがあります。政治は子育て世代を応援しているアピールをしていても、実態はそうはいかないのはどこの国でも同じですね。

チャイルドマインダーもそうですが、ナーサリーはOfstedによってoutstanding, good, satisfactory(優、良、可)といった評価がつけられています。ただ、outstandingだからといって全ての子供と親御さんに合うとは限りません。特にOfstedは算数、国語(この国ではつまり英語ですが)などの早期教育を重視しているので、のびのび自由に遊ばせることを優先している素晴らしいナーサリーがgoodとなる、なんてことも有り得ます。やはり自分の目で見て確かめるのが大切かと思います。

私たちは結局チャイルドマインダーが決まったのでナーサリーは申し込みませんでしたが、念のため調べた際、入園の可否に関わらず申し込みにお金を払うのが普通だったので、入園の競争率は激しいのだと思います。それでも、チャイルドマインダーもかなりの数の人がやっていますし、金銭的に余裕がある家庭ではナニーを雇うのは一般的なので、仕事復帰前に何かしらのチャイルドケアを見つけることは可能だという印象です。

 

その他

上の3つがフルタイムで預ける一般的な選択肢ですが、この他に、夜出かける間とか短い時間だけ自宅で子供を見てもらう場合はbabysitter(ベビーシッター)、短時間プレイグループなどの施設で預かってもらう一時保育を提供するcreche(クレシュ)などあります。

 

 

以上、私の住んでいる自治体の情報を元に書きましたが(リンクを貼ると住んでいる場所がかなり特定されるので割愛します)、下のサイトから各自治体のチャイルドケアの情報にアクセスできます。

www.gov.uk

娘を預けるためにナーサリーを調べていたときにも感じたのですが、色々な形態のナーサリーがあったり、ナニーとチャイルドマインダーについては細かい規則があり、なかなかややこしいです。もし私の理解が間違っていることがありましたら教えていただけると助かります。また、この記事が少しでもイギリスで働く日本人のお父さんお母さんの参考になれば幸いですし、日本にもナニーやチャイルドマインダーのような小規模保育の選択肢が広がって、待機児童の問題が早く解消することを願っています。

我が家の共働きで子育て平日のスケジュール

水曜に仕事に復帰しましたが、金曜休みの週4勤務にしてもらってるので、2日出勤するだけで今週は無事に終わりました。仕事的には全然楽だったのですが、先週の慣らし保育で娘は早速風邪をもらってきてそれが私にもうつり、軽めだったとはいえ一日出かけるとやっぱり悪化するものですね…。何週間か前にも娘と2人で風邪ひいてやっと治ったとこだったのに。とりあえず今日は自宅で大人しく過ごしました。

 

さて、復帰初日は夫に自宅勤務にしてもらって娘の送り迎えをしてもらったので、割と楽に乗り切れたのですが、昨日は夫もオフィスに出勤。初の2人とも出勤で娘を預ける日でした。慣らし保育の間に2人の分担をはっきりさせて練習できたので、スムーズに乗り切れたと思います。たぶんこれからもこんな感じでやっていく予定です。

 

6:20 夫婦で起床

        夫、自分の朝ご飯を食べる&娘の朝ご飯準備

        私、自分の着替えと化粧

6:40 夫、自分の着替えとひげ剃り等準備

        私、娘のお弁当作りと自分の朝ご飯準備

7:00 夫、娘を起こしてオムツ替え

7:10 夫が娘に朝ご飯を食べさせている間に、私も自分の朝ご飯を食べる

7:30 私、娘を着替えさせて一緒に歯磨きし、娘のバッグを詰める

        夫、朝ご飯の後片付けとゴミ出し等の家事

7:45 3人で出発

8:00 私、チャイルドマインダーに娘を預けて会社に向かう

8:30 夫、出勤(フレックスなので自由がききます)

9:00 私、出勤(融通が利かない日系企業勤務…)

 

16:30 夫、退勤(残った仕事は自宅ですることも…)

17:00 私、退勤(自分の仕事さえ終えていればピッタリに飛び出しても平気)

17:10 夫、娘のお迎え

17:30 夫、家に着いて娘の晩ご飯準備

17:50 夫が娘に晩ご飯をあげている間に私も帰宅

18:00 3人で遊ぶ

18:30 夫、娘と一緒にお風呂に入る

18:45 私、娘の寝かしつけ

19:00 娘は就寝

          夫婦のどちらかか2人で晩ご飯準備

 

16時半に帰れる旦那さんそうそうなんていないだろうし、私の9時5時勤務だって恵まれてるんだろうから、あまり参考にならなさそうですね…

 

こうして書いてみると夫の貢献度めちゃくちゃ高い!朝も夜も夫が娘の食事をあげているなんて。1週間分の献立を考えて大体作って冷凍しておくのは私なんだけども、仕事から疲れて帰ってきてたところ、娘の食事準備って私は正直あんまりやりたくないです。しかも、昨日は娘を寝かしつけた後、私はダウンしてしまったので夕飯の準備は全てやってくれた夫。ありがたやー。 もし夫の職場がフレックスじゃなかったら、送り迎えの分担は逆になっていたのかな。私の職場も面倒な申請手続きをすれば勤務をずらすことも可能ですが、なにしろ面倒なので。朝の出勤はこのスケジュールだと割と余裕があるのに対して、お迎え担当がそのまま娘の晩ご飯担当となると、お迎え担当のほうが明らかに負担が大きいです。大変なら様子見て変える必要があるかも。

 

あと、復帰前に朝の準備の分担を決めて何回かやってみたのは正解でした。うちの夫は手伝う気はあるのだけど、自分では何をすればいいか分からないタイプ。だから、これをやってねっていうのを伝えておくのが大事です。しかも、先に口頭で言っておくだけだと忘れてしまうので、習慣になるまではその場でも言う必要があります。(例えば、前の夜に「明日の朝ゴミ出しておいてね」と言っても、次の日の朝に覚えている確率はかなり低い。)でも、言いすぎるとやる気を削ぐようなので、忘れてそうなタイミングにだけ言い直すというバランスが大事。なんだか面倒な感じですが、最終的に家事育児を効率よく分担するためには仕方がありません。分担を決めて実践もなくいきなり私の出勤の朝を迎えていたら、「私はこんなにやることあるのに何のんびりコーヒー飲んでるの!?」なんてケンカが絶対に勃発していました。

 

我が家では夜7時には娘を寝かせてしまうので、平日娘と遊べる時間は30分ほどしかありません。でも、しばらく私は週休3日だから少しは時間もあるし、限られた時間しか娘と一緒にいられない分その時間を大切にしていきたいと思います。実際、今日4日ぶりにずっと娘と一緒にて、前よりも心に余裕をもって過ごせた気がします。ずっとチャイルドマインダーのところにいたから、家のおもちゃが久しぶりで新鮮に感じられて大人しく遊んでてくれたおかげかもしれませんが!来週もうまくいきますように。

仕事復帰初日を終えて。

今日、無事に仕事復帰してきました。スリープトレーニングについて書き途中でしたが、色々と思うことがあったのでこの気持ちが新鮮なうちに、今日のことを書き留めたいと思います。

 

復帰直前、心境の変化に戸惑う

実は、1か月くらい前から仕事に戻るのを楽しみにしていました。家にいるとあちこち動き回ってなんでも口に入れようとする娘に「これはダメ!あれは危ない!」と言い続けないといけないのがストレスで、だからといって毎日午前も午後も娘を連れてお出かけするのにも疲れを感じてきていました。夫から仕事の話を聞いていると、赤ちゃん以外の世界に属していることが羨ましく感じられたりもしていました。娘は、もうしっかり離乳食とお昼寝のリズムができていて、最初は場所見知りするけどお出かけが大好き。人見知りは一時期したけど今は大したことありません。だから、預けて他の子供達から刺激を受けるのは悪いことじゃないだろう、と仕事復帰に対して前向きに考えてました。

 

先週の慣らし保育はとてもスムーズにスタートして、今週の月曜火曜は丸1日預けていよいよ水曜から復帰、という段階に。が、娘も何か察したのか、今週入ってからは預けて帰るとき、泣きそうな顔で何か叫びながら私のほうに手を伸ばすようになりました。お迎えのときに1日の様子を聞くと、チャイルドマインダーさん(政府機関の認可のもと、自宅で少人数の子供をみてくれるイギリスでは一般的な小規模保育です。)にずっとくっついて離れず、トイレにいくときも泣きながらついてきたそう。後追いはするけど泣くことは今までなかったのに。火曜日には、用意したお弁当をいつも大食いの娘があまり食べず…復帰前日になって、前向きに考えていた仕事復帰が急に良いことなのかわからなく思えてしまいました。

 

そして迎えた復帰当日

今日は何かあったときのために夫は自宅から仕事し、私の負担を減らすため娘の送り迎えもしてくれました。送りをしてもらわなかったら、かなり心理的負担が大きかったかも。やっぱり子供の悲しい顔を見るのは辛いですね。久しぶりに満員の地下鉄に乗って、みんな無表情のまま速足で歩くオフィス街を、自分も同じように歩いているのが信じられませんでした。職場に着いてからもなんだか頭はフワフワ。まずIDを忘れていて自分のパソコンにログインできない。共有カレンダーもメールシステムも新しくなってて、使い勝手がちょっと違う。産休前の状態に復元しておいてくれたパソコンなのに、よく知っているように見えて実はよく分からない不思議な状態。

 

そんな浦島太郎な私だったけれど、挨拶に社内をまわると、みんなに優しく迎えてもらいました。色々と不満もある会社だけど、ここには私の居場所があるんだと改めて感じた瞬間でした。私の働いている会社はある日系企業のヨーロッパ本部なんだけれど、所属チームは私以外みんなイギリス人なので仕事はほとんど全て英語です。さっそくチームミーティング。3年前にこの仕事を始めたときは、英語でのミーティングに死ぬほど緊張して、今日も1年のブランクはどうだろうと思ったのに、英語で普通に質問をしてジョークを言い合ったりしている私がいました。ミーティングの後はよく使うシステムの新しい機能のトレーニング。いない間に色々変わっていることに不安を感じるんじゃないかと思っていたのに、前と同じことをただ繰り返すんじゃなくて、新しく学ぶことがあると嬉しく思えたのでした。

 

なんのために働くのか

私のしている仕事なんて大したものじゃないのに、小さな子供を預けて働くのはなんのためなんだろう。働くお母さんは誰もが考えるのではないでしょうか。私の給料の大部分はチャイルドマインダーにかかる費用で飛んでしまうので、金銭的なプラスはわずかです。でも、今日感じたのは、仕事を通して自分の成長を感じられることは、私にとってとても大切ということ。娘の子育てを通しても、もちろんたくさん成長させてもらいました。行ったことないところに行くのはあまり好きじゃなかったのに、娘のためなら頑張って毎日お出かけしてきました。そのおかげで沢山新しい友達もできました。

 

それでも仕事をしていると、半年前はこんなことに苦労してたのに今は簡単にできるようになったとか、こういう問題があったのをこんな風に改善してきたとか、分かりやすく自分の成長や功績が感じられるのだと思うのです。こうして書いてみると、子育てはもっとすごいことを達成してるのに、(例えばミルクしか飲めなかった赤ちゃんがバナナを食べられるようになったとか本当にすごいことですよね)それを具体的に感じる機会があまりなく日々忙殺されていくから、ストレスに思うようになってしまうのかな。自分の成長という目的を考えると、仕事も子育ても両方させてもらえるっていうのはとても贅沢なことのように思えてきました。

 

実際、とてもありがたいことに私には、私を評価して必要としてくれる職場がある。ただの承認欲求を満たすためだけに働くのか?と自問自答してしまうときがあるのだけど、やっぱりそういう居場所があるのは心の支えになります。私が働くことを全力でサポートしてくれる家族もいます。そして、私達は当然日本で子育てしながら働くよりずっとやりやすい環境にいます。娘には我慢させてしまうときがこれからもあるかもしれないけど、今日一日を終えてみて、子育てと仕事と両方欲しいっていう贅沢をもう少し続けさせてもらいたいと思いました。

 

仕事が終わって大急ぎで家に帰ると、娘は夫と2人でいないいないばあのDVDを見ていたらしくリビングから笑い声。私に気づくと満面の笑顔で私のことを指さして、ハイハイしてきてくれました。夫曰く、今日は月曜火曜よりはかなりましになって、多めに用意しておいたお弁当も完食、パーフェクトだったと言われたらしい。それを聞いたら嬉しくて嬉しくて涙が出そうでした。2人とも今日は1日がんばったよね。明日も一緒にがんばろうね。

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録② スタート編

生後1か月半ごろから段々と時間がかかるようになっていった夜の寝かしつけと、夕方にぐずりまくる娘の様子に不安を覚えた私は、生後2か月を目前に生活リズムの改善を中心としたスリープトレーニングを開始しました。

 

yumih.hatenablog.com

 

まずは生活リズムの改善から

Kindle版がすぐ手に入るからという理由で、清水悦子さんの『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』という本を購入。「まずは、これだけやってみよう」と紹介されている3ステップをこんな感じでスタートしました。

 

①朝7時までに起きる

この頃、仕事に行かなきゃいけない夫の睡眠を確保するため夫は夫婦の寝室で、私は娘の部屋のスペアベッドで寝ていました。そのベッドのすぐ横にちょうどベッドくらいの高さの台を置いて、その上にSleepyhead(ベビーベッドのインサート兼ポータブルベッド)を置いてそこで娘を寝かせていました。朝5時とか6時によく娘が泣いて授乳していたのですが、大体いつも2人とも二度寝しちゃって7時に起きるのは結構きつい。なので、仕事で早起きする夫に起こしてもらっていました。夫も仕事に行く前に娘に会えるから一石二鳥!冬のイギリス、8時すぎでも薄暗く太陽なんか見えないことが普通で、本当に体内時計は調整されるんだろうか心配でしたが、1度ちゃんと朝起きることで体は朝だよってわかってくれたみたいです。早起きは大事だなぁ。頑張って起きた後は娘の朝寝と同時に私も二度寝…産後まだまだ疲れてるんだから仕方がないことでしょう!

 

②朝寝・昼寝・夕寝のリズムを作る

娘は午前中は眠い子で、朝起きてから1時間半もすると眠くなってすっと寝てくれていたのですが、昼寝と夕寝はどうにもこうにもうまく寝かしつけられませんでした。気が付くと眠すぎてぐずぐずで反対に眠れない…な状態(涙)。でも、たまたま昼寝がうまくいった日は夕方のぐずぐずがましに!黄昏泣きなんて名前があるから仕方がないことだと思ってたけど、うちの場合はただの昼寝不足だった模様です。とりあえず時間は何時でもいいから1日3回のリズムを作るために、授乳間隔がめちゃくちゃでもおっぱいで寝かしつけてました。授乳したばっかりなのに寝かしつけのためにまた授乳してしまうと、片方だけ飲んで中途半端にお腹が膨れて寝てしまい、ちょっとしたら起きてまた片方だけ飲んで、とちょこちょこ飲みになってしまい、それはそれで大変だったのですが、とにかく眠いときのぐずりが一番最悪だったので、寝かしつけが最優先でした。

 

③寝る前に絵本を読んでみる

イギリスで生まれて育つ娘に、日本語を話せるようになってもらうには親の頑張りが必要。なので、生まれる前から日本語の絵本を何冊か母に送ってもらっていて、もう少し大きくなったら毎晩の絵本を寝る前の習慣にしたいと思っていました。安眠ガイドにも、寝る前にイチャイチャタイムを作って赤ちゃんを安心させるってことが書いてあったので、まだまだ意味わからない娘に試しに読んでみました。すると、なんだか落ち着くみたい?ゆっくり低い声で短い本を読んであげるとなんだか気持ちよさそう。1回目から予想外の効果があり、習慣作りは早いに越したことないし、ってことで寝る前に絵本を読むようになりました。ですが、絵本効果はビギナーズラックだったようで、絵本だけでは寝かしつけられず結局おっぱい頼りでした。ですが、絵本の習慣の早いスタートは後になって実を結び、生後4か月頃には絵本での寝かしつけがスムーズにいくようになりました。

 

まだまだ寝かしつけ技術不足

清水悦子さんの本は、赤ちゃんにもお母さんにも負担が少ないやり方で、スケジュールにがんじがらめにならないように書かれていて、スタートには最適だったと思います。しばらく3ステップをやってみた結果、少しは生活リズムができてきたかも?でも、寝かしつけはなかなかうまくいかず、眠そうでも置くと泣いてしまうのはあまり変化なし。でも、授乳で寝かしつけには色々と問題がありました。ちょこちょこ飲みで授乳間隔が開かない他、おっぱいで寝てしまうと確実に30分から1時間で泣いて起きてしまう。娘からしたら、さっきまでおっぱい飲んで気持ちよくウトウトしてたのに、何で今1人なの!?ってとこでしょうか。夜寝る前はなんとかおっぱいでは寝ないように、話しかけたり、くすぐってみたり、ほっぺをぺちぺちしてみたりしましたが、眠い新生児の眠りを止めるのは不可能でした…。おっぱいの代わりになれば、と思っておしゃぶりを投入してみるも、何回やってもぺっと口から吐き出すだけで全く効果なし。

 

ということで、次の課題はおっぱいに頼らない寝かしつけ、となりました。現在娘は10ヵ月。明日から私は仕事復帰です。慣らし保育期間中に沢山更新しようと思っていたのに、これしか書けなかったー。復帰してもブログ続けられるように頑張ります。

 

シリーズ記事はこちら

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録① きっかけ編

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録② スタート編

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録③ 眠れる環境作り編

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録④ 寝かしつけ編

生後2か月からのスリープトレーニングまとめ

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録① きっかけ編

夜泣きするかしないかは運次第!?

娘が生まれるまで子育て知識ゼロだった私は、赤ちゃんの夜泣きは仕方がないもので、頑張って乗り切るしかない、夜泣きしない子もいるらしいから、するかしないかは運次第…なものだと思ってました。育児サイトにも一時的なものだから頑張って乗り越えるしかない的な書き方してあったりしませんか?なんでもお母さんは頑張らないといけないというプレッシャーを感じて憤りを覚えるのですが…勝手にプレッシャーに思ってるだけなのかもしれないけど!

 

驚いたことに、イギリスの人達の考え方はちょっと違うようで、正しい生活リズムを作ってあげれば解決する問題と認識されてる模様。生後4ヵ月頃、両親学級グループの1人がWhatsApp(英語版のLineみたいなチャットアプリ)で、

突然、夜中に頻繁に起きて泣くようになって死にそうな毎日だったけど、2週間引きこもってやっと昼寝のリズムが作れたら、かなりましになってきたよ。久しぶりに出かけたいから誰かお茶でもしない?

 

と言ってきたり、検診の待合室で隣のお母さんと話してたら、

6ヵ月だけど、まだ生活リズム整えてないから夜泣くのよね。そろそろなんとかしないといけない。

 

なんて言っているのを耳にしました。どの程度きっちりやるかは人によるけど、私の周りは結構みんな毎日のスケジュールを大切にしているような感じ。そういう私は、生まれる前は何も知らなかったのに、色々あって生後2か月頃から割ときっちりスケジュールを導入することになりました。

 

よく寝てくれる子だったのに…

うちの娘は産まれてすぐからよく寝る子で(そのおかげで黄疸になりかかったけど)、置いてトントンするか、授乳したりしばらく抱っこして座っていればいつまにか寝ていて、そのまま置いたらいつでもどこでも寝てくれました。でも、そんな手抜き寝かしつけが通用するのはそう長くは続きませんでした…生後1か月半をすぎた頃から、だんだんトントン攻撃が効かなくなり、背中スイッチの精度もアップ。置いたら泣いて抱っこしてを繰り返してたら、あれ、いつの間にか3時間も経ってる…なんて毎日になっていました。夜泣きはしないものの毎日夕方になるとグズグズで、もしかしてcolic*1なのでは…colicなら根性で頑張るしかないと思って絶望したりしました。

f:id:yumih:20161015222140j:plain

この頃、Sleepyheadというベビーベッドのインサートのようなものを使っていて、持ち運べるからソファの上やらあちこちで寝かせていました。

 

基本的に根性なしの私。子育てもかなり夫に甘やかしてもらって助けてもらってなんとかやってこれただけ。でも、平日の夕方はさすがに夫に助けてもらうことはできない…この状況を至急なんとかしないといけない、と思っていたところに、私より4ヶ月早く出産した友人が「最近、自力で眠れるようになるようにスリープトレーニングをしてるよ」と教えてくれて、藁にもすがる思いでスリープトレーニングについてアレコレ調べ始めたのでした。

 

早速スリープトレーニングに挑戦

最初はとりあえずインターネットの情報を読んで始めてみました。置いて泣いても何分間は泣かせておいて、だんだんその時間を長くしていく、というようなやり方で。ですが、ネットで集めらる情報はどうしても断片的です。正しくやれてるのか自信が持てないから、夫も私も泣き続ける娘を放っておけなくて断念。ちゃんと本読んで研究してから自分たちの方針を決めてやる必要があるね、という結論に至りました。そこでまず読んだのがこの2冊

赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド

赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド

 
The Complete Sleep Guide For Contented Babies & Toddlers

The Complete Sleep Guide For Contented Babies & Toddlers

 

読んですぐわかったのは 、いきなり自力で寝るように泣かせてたなんて完全に間違い!生活リズムを整えることから始めないといけない、ということでした。その頃の私と娘の生活は、本に書いてあるやっちゃいけないことそのまま。朝は寝ててくれるならいつまででも寝かせておき、昼寝は電気もテレビもついたリビングでさせて、夜は私たちが食事をした後にお風呂に入れて9時頃から寝かしつけすれば早いほう、という生活でした。まずはちゃんと朝起きて、寝る環境を整えて昼寝の時間を調整するところからスタートしないと!

 

ということで、生後2か月の娘の生活リズム作り計画がスタートしました。ただ、こんな小さな赤ちゃんにスケジュールスケジュールって言うのはどうなんだろう…っていう思いもありました。何も言わずに見守っててくれたけど、たぶん義母はあまりよく思っていなかったはず。それでも、毎日の寝かしつけと黄昏泣きに疲れて果てた私には、周りのことは気にせずやってみるしかなかったのです。

 

また続きます。

 

シリーズ記事はこちら

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録① きっかけ編

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録② スタート編

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録③ 眠れる環境作り編

生後2ヵ月からのスリープトレーニングの記録④ 寝かしつけ編

生後2か月からのスリープトレーニングまとめ

*1:日本語で言う黄昏泣きに近い。一般的に、生後3週間頃から始まって3時間以上激しく泣くことが3日以上続くと定義され、特に夕方に起こりやすく原因は複数の説があるが、一部の赤ちゃんには成長過程で避けられないもの。[What to Expect the First Year]

それでも翌日退院してよかったと思うのは

イギリスで出産して翌日に退院した結果、赤ちゃんは黄疸になりかかって、再び産んだ病院に行くことになってしまった話の続きです。

 

yumih.hatenablog.com

ブログ始めたばかりにも関わらず、この記事には数名の方からスターをいただき、とても嬉しかったです!ありがとうございます!

 

yumih.hatenablog.com

産後4日目の体に鞭打ってほぼ一日を病院で過ごした日曜が明けて、月曜はヘルスセンターで退院翌日に来てくれた助産師さんとの検診です。普段は歩いていく距離だけど、出産時の会陰裂傷の痛みに前日の疲労が加わり、とても歩けたものではなかったので夫に車を出してもらって行きました。週末に起こったことを説明すると、「10年前にはこんなこと滅多になかったのに最近増えてる。ロンドンでは予算が足りなくて十分な数の助産師が雇えなくて産後のケアが追いつかなくなってる」と申し訳なさそうに説明してくれました。実際、同じ時期に出産したママ友でも同じように黄疸のためすぐに病院に戻ることになった人がいたし、私の1か月前に地方都市で出産した夫の従妹のところには、退院後3日間は助産師さんが来てくれたらしい。十分な数の助産師さんがいたら、この国の翌日退院システムでも基本的には大丈夫なのかも?

 

私たちは国営医療サービスNHS(National Health Service)を利用して出産したので、出産当日に希望して個室に一泊したから100ポンド(現在のレートで1万3千円くらい)かかった以外全て無料です。バースプラン通りにできた水中出産、会陰裂傷がひどくて受けた手術、退院翌日に自宅まで来てくれた検診、そして黄疸の検査も、何もかも当たり前のように無料。結局娘も大事には至らずに済んだことを思うと、すぐに退院して夫と実母に囲まれて(義母も、私たちがいない間に母と一緒に食事をしたり買い物を手伝ったりと助けてくれました)、娘を自宅に連れて帰れて幸せでした。だから、2人目ができたら自宅出産したいと目論んでいます。

 

残念ながら、NHSの予算は年々削減され続けています。今回の妊娠・出産を通して何度も通院したり、実は切迫流産で入院したりしているので2回の入院を経験して、1人の入退院に膨大なペーパーワークをこなしていたり、頻繁なシフト交代のために何度も同じことを違うスタッフに説明しなければならなかったり、無駄が多く効率化が必要な印象は否めません。それでも、根本的な改善をしないままサポートが必要な人を十分にカバーしきれない程予算を削減してしまうのはどうなのでしょう。外国人の私がこの国のサービスを非難するのはおこがましいかもしれないけれど、外国人でもこの国に住む全ての人に公平で平等な医療を提供するNHSの精神を尊敬しているからこそ、もっと良くなって欲しいと思うのです。

 

結局、黄疸になりかかった娘は上手に母乳を飲めていなかったようで、至急ミルクをあげて、私のほうは搾乳して母乳の量を増やす必要があるとアドバイスを受けました。ミルクの買い置きなんてしていなかったから、夫が慌てて買いにいって飲ませてみると、あっという間にゴクゴクと飲み干し、出なくなっていたウンチもまた出るようになりました。産前に念のため買っておいた手動の搾乳機では腕が痛くなるまで頑張っても20mlも搾れず、勧められたメデラの電動搾乳機を買いに夫がデパートまで走り、なんとか私の母乳もだんだんと出るようになりました。母乳を出すのがこんなにも大変だなんて、両親学級で数時間の講義を受けただけの私たちは知りもしませんでした。助産師さんが退院翌日以降来てくれなっただけでなく、母乳育児についての無知が敗因の一つだったと思います。

 

f:id:yumih:20161015074248p:plain

黄色っぽい顔で眠る娘

 

イギリスで出産を控えてる人の不安を煽るような記事を書いてしまったような気がします。でも、出産翌日、本当に不安で退院したくないと思うなら、不安な事柄をきちんと説明し病院に留まらせてくれ、とはっきり伝えたほうがいいと思います。気づいてくれるなんて期待していたら何も起こらない、はっきり言わないと伝わらないこの国で生きていくには、自分から強く主張することが大事です。また、私は産後に知ったのですが、NHSでは不十分に感じるけどプライベートで出産するのは無理という人はドゥーラを雇うという選択肢があります(ロンドンには日本人ドゥーラの方もいます)。そして、一緒に病院に泊まるために寝袋を持って行ったほうがいい、というのが病院の床にタオルを敷いて眠った夫からのアドバイスです。

イギリスで出産、翌日に退院したらこんな目に遭った

前回の記事の続きです。病院にまだ居てもいいと言われたけれど出産翌日に自宅に戻り、産後4日目、黄疸の疑いで病院の救急に行くことになってしまったところから。

 

yumih.hatenablog.com

 

受付を済ませて小児科の待合室に入ると、12月のイギリスの日曜日、当然そこは急な病気や怪我の子供達でいっぱい。こんなところで新生児と待つのかとぞっとしていたら、すぐに呼ばれてあいている診察室に通されて、そこで待つことになりました。慣れない授乳もしなきゃいけないし、さすがにちゃんと配慮してくれたようで一安心。待つこと30分ほどで若いお医者さんが来て状況を説明すると、まずは黄疸かどうか判断するビリルビンの値を調べる血液検査をすることに。またしばらく待つと、やたらと明るいナースが部屋にやって来て泣く赤子の腕から採血して去っていきました。赤ちゃんの採血は踵から採るほうが一般的だけどこのほうが多く採れるから、との説明に了承して。結果は2時間後と言われ、診察室で夫と交代で抱っこしながら泣いたら授乳を繰り返してひたすら待ちました。乳首を咥えてればちゃんと飲んでくれてると信じて疑わずに…。

 

長い長い2時間が過ぎても何も言いに来ないことにしびれを切らした夫が結果を確認しに行ったら、「採取した血液をこぼして量が足りなくて検査できなかった」ですって!わざわざ痛みが強い腕から採ったのに!違うナースが来て踵から採血していきました。さすがに今度は緊急で検査してくれたらしく、しばらく待ったらまた同じ若いお医者さんが来て、ぎりぎり光治療する値じゃないからと言って、結局何も処置を受けることなく帰宅することに。病院に着いた時間ははっきりとは覚えてないけれど、午前中にはあの診察室にいたのが、全部終わって疲労困憊で外に出るともう空は真っ暗になっていたのでした。

 

このときばかりは、日本みたいに産後5、6日は入院させてもらえればこんなことにはならなかったのに…と思えて仕方がありませんでした。でも、そもそも翌日退院したのは産後数日は毎日助産師さんに来てもらえると思ってたからなのに…。イギリスでは産後2週間、赤ちゃんの父親や、実際に子供の父親でなくても出産した女性のパートナーは婚姻の有無も関係なく、育休を取ることが法律で認められていて、実際かなりの人が2週間フルでとっています。両親学級で一緒だった夫婦7組の旦那さん全員がとっていたし、私の職場にもいたし、取引先の人が2週間休みだったこともありました。ほとんどの人が出産翌日には退院するのは、男性も育休をとるのが当たり前で家事をしてくれるから、みんななんとかなっているのだろう、と思っていましたが、やはり医療関係者の助けなしには乗り切れません。

 

この1件もう少し続きがあるのですが、かなーり長い記事になってしまうので、また一旦区切ります。よければもう少しお付き合いください。